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グッドスマイルカンパニー 1/8 百合崎ミラ [フィギュア]

グッドスマイルカンパニーの1/8スケールフィギュア、"Dimension W"の「百合崎ミラ」を少し撮ってみました。


旭光学工業 Ultra-Achromatic-Takumar 85mm F4.5

SynNightPさま、ご紹介下さってありがとうございます。
(パ)さま、ご紹介下さってありがとうございます。













YURIZAKI_Mira-13.jpg
Ultra-Achromatic-Takumar 85mm F4.5











COSINA COSINON-S 50mm F2


本体 121g・ベース 76g・総質量 197g、ベース径 17.4~17.9cm、ベースを含む全高 約15cmです。ケーブルは自由に曲げられます。ケーブルの被覆はどこの高級ヘッドホンかと突っ込みたくなる、コストのかかる編込み被覆です。キャラのイメージがよく再現されたフィギュアですが、グッドスマイルカンパニーがいつまで経っても改善しようとしない悪習があからさまに現れていて、塗装時に大きな綿ぼこりを巻き込んだ個体に当たってしまいました。レビューであればそういうものもそのまま写して掲載するべきなんですが、キャラがあまりに可哀想なので一部修正しています。クリーンルームの導入まで求めるつもりはありませんが、グッドスマイルカンパニー様におかれましては、生産ラインの整理整頓や清掃のほか空調管理など、基本を手を抜かず実行して頂きたいものです。



OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ(ISO 200, 絞り優先AE)
OLYMPUS Capture

旭光学工業 Ultra-Achromatic-Takumar 85mm F4.5
COSINA COSINON-S 50mm F2

GITZO CREMAILLERE2 G212
Manfrotto 410
FUJIFILM VARI-ANGLE GA



旭光学のUltra-Achromatic-Takumar 85mm F4.5は波長220nmから1,000nmまで、紫外線領域から赤外線領域までの撮影を目的とした特殊用途向けのレンズで、1968年4月に発売されました。マウントはM42マウント、5群5枚構成の変形トリプレット型で、溶融水晶が2枚(1枚目と4枚目の負のパワーを持つレンズ)、蛍石が3枚(2・3・5枚目の正のパワーを持つレンズ)です。また、コーティングは施されていません。高橋泰夫氏の設計で、一般向けの写真撮影用レンズに蛍石を使用したのはこのレンズが世界初です。このレンズの光学設計に当たる日本国特許第545098号は1965年2月16日に特願昭40-8464として出願、1968年11月12日に特公昭43-26269として公告され、また、米国特許No.3490825は1966年2月9日に出願されています。(蛍石の採用は、産業用レンズでは1964年8月に完成して同年9月に発表されたウルトラマイクロニッコール29.5mm F1.2が先行しています。1969年3月発売のCanon FL-F300mm F5.6は、「色収差を補正するために蛍石を使用したのは世界初」と、非常に限定的な条件付きでの世界初になります。なお、キヤノンのレンズ設計者である辻定彦氏の著書『レンズ設計のすべて』(電波新聞社・ISBN4-88554-921-3)のp.143、カメラ用レンズに最初に蛍石を用いた例は1969年のCanon FL-F 300/5.6である。という記述は完全に誤りです。)

この当時は光の波長の単位はnm(ナノメートル)ではなくmµ(ミリミクロン)が一般的でした。純正で用意されていた専用フィルターのうち、253.7mµフィルター・365mµフィルター(紫外線撮影用干渉フィルター)と862mµフィルター(赤外線撮影用干渉フィルター)は、装着時に機械的にピントが補正されます。また、赤外線撮影用のR62フィルターとR68フィルターにはそれぞれ、サクラ赤外フィルム用のType Aと、コダック・インフラレッドフィルム用のType Bが用意されていました。これらのうち、365mµフィルターだけは入手できました。

このレンズについて最も詳細なページはThe Macrolens Collection Databaseで、マニュアルや収差図、英国特許文書などが掲載されています。そのほか、PENTAX研究会の「The Lens Design of Ultra Achromatic TAKUMAR 85mmF4.5」、レンズの収集と研究で世界的に有名なMARCO CAVINAさんのページ、Manual Focus Lenses - A new life in a digital ageのフォーラムへの投稿「Ultra-Achromatic-Takumar 85mm f4.5」、Camera Manual Libraryの「Pentax SP 500」にも情報があります。

ペンタックスは警察の鑑識でよく使われていたことから、このレンズもしばしば「鑑識用」などといわれますが、初代アサヒペンタックスを取り上げたアサヒカメラ1957年9月号のニューフェース診断室に、このカメラは学術撮影用として、官庁や会社の研究所などに納入されることが多いと聞くとあるように、ペンタックスは研究・開発などの現場でもよく使われていたようで、このレンズも警察の鑑識向けは需要のごく一部だったと思われます。実際、紫外線撮影や赤外線撮影を必要とする分野は非常に多岐にわたります。

このフィギュアの撮影に使うレンズは、作品的にはアニメの第1話にもちらっと見えていたSuper-Takumar 55mm F1.8を使うべきなんでしょうけれど、もうひとつ上の次元に行ってみましたw 使ってみて、開放F4.5からF8まで絞っていくと、ライブビューで焦点の移動がはっきり見えます。また、コントラストもそう高くはありません。開放時の画質はやや甘いような気がしましたが、これは至近距離での撮影だからだろうと思います。

ところで、同時に入手できた純正の365mµフィルターは可視光像を明瞭に反射していて、見かけはまるで鏡です。干渉フィルターはバンドパスフィルターと呼ばれることもありますが、構造的には薄膜フィルターに当たり、透過させたくない帯域の光を反射するようになっています。ただし、入射角依存性が高く、斜めからの入射光に対しては、透過する帯域がシフトしたり、偏光を生じるなどして色付きが発生する、などの欠点があります。現代のデジタルカメラではイメージセンサーの直前に紫外線や赤外線をカットする目的でこの種のフィルターが固定されています(イメージセンサーの感光帯域が可視光を超えているため)が、この性質のため、バックフォーカスの短い広角のオールドレンズをライカ判のミラーレス機に使用した際に、画像周辺に色付きが発生することがあります。干渉フィルターのこの性質は、現代のデジタルカメラ用のレンズに像側テレセントリックか、それに近い設計が要求される大きな要因でもあります。


コシナはリンゴ農園主だった小林文治郎氏が身を起こして創業したカメラ・レンズメーカーですが、同社のCOSINON-S 50mm F2は1980年11月に国内発売された5群6枚・変形ガウスタイプ、Kマウントのレンズで、アサヒカメラ1981年8月号のニューフェース診断室で取り上げられていました。そこに掲載されていた構成図・収差図MTF解像力表ツイートしたのでそちらをご参照下さい。メーカー希望小売価格¥10,000のところ、83年春頃まであったコシナ直販店(長野県内ほか、新宿東口・中村屋の隣と奄美大島に各一店舗の計9店)では「産地直売価格」と称して¥7,000で販売されていたとのことです。“和製ズミクロン”XRリケノン50mm F2の影響で現れてきた高コストパフォーマンスなレンズのひとつですが、球面収差から分かるとおり、XRリケノンとは異なるコントラスト重視の設計になっています。当時、国内でレンズを生産していたメーカーのうち、レンズ生産を光学ガラスの溶解から手がけていたのは、日本光学(ニコン)、ミノルタ、富士写真フイルム、コシナの4社のみです。つまり、このレンズは硝材もコシナ製です。

COSINON-S 50mm F2の収差補正はズミクロンR 50mm TypeⅡ(4群6枚)にやや似ていますが、タル型マイナス0.3%という歪曲収差はそれ(マイナス1.2%)よりも非常に小さく、Aiニッコール50mm F1.8Sの実測値に同じ(Aiニッコール50mm F1.8はマイナス1.3%)です。当時、1970年代後半から80年代初頭にかけての時代に、50mm標準レンズで球面収差をレンズ周辺までわずかな補正不足としたものは、国産ではF1.2~1.4クラスにいくつかあった程度で、その中には研削による非球面を導入したとても高価なレンズもありました。解像力の数値はあまり振るいませんが、開放でのMTFはXRリケノン50mm F2の実測値や現行のキヤノンEF50mm F1.8 STMの公称値よりも高くなっています。開口効率は対角線90%(35mmフルサイズ)の位置で42%だそうですが、開放時の周辺光量の低下はマイクロフォーサーズでも実感できます。開放からF5.6までの焦点移動は0.05mmとありますが、ライブビューで14倍に拡大してもピントの移動はほとんど感じられませんでした。


Ultra-Achromatic-Takumar 85mm F4.5 絞り開放


COSINON-S 50mm F2 絞り開放



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旅爺さん

おっ!”可愛い蜂?ですね~!”
お尻のしっぽを振り回して自分の体にチクンしちゃうよ!”
by 旅爺さん (2017-05-07 11:21) 

(た)

旅爺さんさん、ありがとうございます♪

>可愛い蜂?ですね~!
設定的にはアンドロイドなんですが、言われてみれば、蜂に見えますね(^^)
by (た) (2017-05-07 12:30) 

水銀

(た)さん、こんにちわ

世界初の蛍石レンズでまさかのフィギュア撮影、さすがです!

それにしても、女性らしい(アンドロイドですが^^;)柔らかなラインと、穏やかな表情が可愛らしい逸品ですね(^^)
特にお尻~下半身のラインは生唾を呑みそうですよ♪

>塗装時に大きな綿ぼこりを巻き込んだ個体に当たってしまいました。
全体の出来が良いだけにこれは残念ですね。最近はフィギュアの値段も高騰していてるのですが、今回の記事を見るとその高騰分は生産クオリティに回されていないような気もします。ユーザが安心して予約購入できるようメーカーには早急の改善をお願いしたいですね。

>写真撮影用レンズに蛍石を使用したのはこのレンズが世界初です。
世界初はキヤノンFL-F300だと間違えているキヤノンマニアの方、居ますよねw

>コントラストもそう高くはありません。
自分も写りの方はあっさりとした雰囲気の描写かなと感じました。不可視域の光線も通すことで全体的にかぶりを生じているような感じなのか、ノンコーティングに由来する抑えきれないフレア成分なのか・・・。どちらにしろ、今回のフィギュアに対して雰囲気にはとても良い感じかと思います(^^)
by 水銀 (2017-05-09 01:14) 

(た)

水銀さん、こんばんは。ありがとうございます♪

>世界初の蛍石レンズでまさかのフィギュア撮影、さすがです!
ありがとうございます!
このレンズを手にできるとは全く考えてもいなかったんですが、通販サイトを巡回してたら突然目の前に出てきたので、この機を逃すわけにはいかないと、その場で購入手続きした次第ですw

>柔らかなラインと、穏やかな表情が可愛らしい逸品ですね(^^)
お顔の表情も、ポージングや指先なんかも、本当に可愛らしいですよね♪

>特にお尻~下半身のラインは生唾を呑みそうですよ♪
やっぱり、そこが一番の見所だと思います(^^;

>高騰分は生産クオリティに回されていないような気もします。
それなんですよねえ。お高いフィギュアなのに、価格に見合ってないとしか言いようがないです。せっかく造形がいいのに、こんなことでは原型師さんに対しても失礼だと思います。一刻も早く改善してほしいです。

>世界初はキヤノンFL-F300だと間違えているキヤノンマニアの方、居ますよねw
キヤノンを愛する気持ちからだと思いますが、歴史は非情なんですよねw

>写りの方はあっさりとした雰囲気の描写かなと感じました。
水銀さんのコメントを頂いてる最中にちょっと調べていて、コメントを頂いた後に追記したサイトに収差図がありまして、球面収差が最大入射高で完全補正になっていることが分かりました。それで中間帯では補正不足側にふくらみがあって、その補正不足成分で開放近くではフレアというかハロが発生してるようですね。コーティングをしてないのは、コーティングが紫外線を吸収するためだそうです。

>今回のフィギュアに対して雰囲気にはとても良い感じかと思います(^^)
ありがとうございます♪
このレンズ、柔らかな雰囲気の絵ですよね。絞っても硬くならなくて、優しい絵になったように思います(^^)
by (た) (2017-05-09 02:59) 

水銀

(た)さん、再びこんにちわ

>通販サイトを巡回してたら突然目の前に出てきたので
中古レンズは一期一会ですからね(^^)
自分も今まで迷っているうちに物が無くなってしまい、悔しい思いをした事何度もありますw。そういうレンズに限って次はなかなか出てこないのですよね orz
今回はワンチャンスをモノにした(た)さんの勝利ですね!

>補正不足成分で開放近くではフレアというかハロが発生してるようですね。
なるほどそうでしたか、見当外れな推測をして失礼しました^^;
コーティングの無い理由も紫外線通過の為だったのですね。そういえば同じく紫外線領域の撮影ができるUV-Nikkorとかはどうなってるのでしょうか、少し気になります(^^)
by 水銀 (2017-05-10 04:32) 

(た)

水銀さん、こんにちは。ありがとうございます♪

>迷っているうちに物が無くなってしまい、悔しい思いをした事
ぼくも何度もあります。中古はおっしゃるとおり、一期一会ですよね。しかも本当に出てこなくなりますよね。

>今回はワンチャンスをモノにした(た)さんの勝利ですね!
ありがとうございます!
このレンズは目にすることがほとんどないので、おかげでかえって決断しやすかったですw

>見当外れな推測
いえいえ、僕も撮りながら不思議に思ってたんですよ。開放F値が暗いレンズなのに明るいレンズみたいな画質の変化があるというのがにわかに信じられなくて、水銀さんと同じ推測をしてました。収差図がなかったら分からないままだっただろうと思います。

>同じく紫外線領域の撮影ができるUV-Nikkorとかはどうなってるのでしょうか、少し気になります(^^)
後継の栃木ニコンのレイファクトも含めて確かマルチコートだったと思いますが、確認してないので、なんとも(^^;
たぶん、今の技術状況は1960年代とは違ってるだろうと思います。
by (た) (2017-05-10 12:52) 

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