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WAVE DreamTech ガールズ&パンツァー 1/8 西住みほ パンツァージャケットVer. [フィギュア]

ウェーブDreamTechシリーズより2016年3月に発売された1/8スケールフィギュア、「西住みほ パンツァージャケットVer.」です。


Minolta MD MACRO ROKKOR 100mm F3.5









KONICA HEXANON AR 50mm F1.4








MD MACRO ROKKOR 100mm F3.5





HEXANON AR 50mm F1.4



ベースを含む総質量は136g、同じくベースを含む展示時全高は約22cm、ベースは直径9.7cm・厚さおよそ7mm前後、展示に要するスペースは幅12cm×奥行17cmぐらいでしょうか。キャラのイメージがよく再現されていて塗装や仕上げも丁寧、ベースの質感も見事です。ドリームテック・シリーズのフィギュアらしく、この西住殿も首が動きます。と言うか、開梱後に保護シートを外すために首から頭部を抜く必要があります。キャストオフはやればできるんでしょうけれど、破損させたくなかったので行いませんでした。

大ヒット作品のヒロインだけあってフィギュアも数多く出ているのですが、なぜかパンツァージャケット着用のものは可動フィギュアばかりで、スケールフィギュアは珍しいです。



OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ(ISO 200, 絞り優先AE)
OLYMPUS Capture

Minolta MD MACRO ROKKOR 100mm F3.5
KONICA HEXANON AR 50mm F1.4

GITZO CREMAILLERE2 G212
Manfrotto 410
Velbon Angle Changer Q


『ガールズ&パンツァー劇場版』には日本陸軍が採用していた六櫻社の“軍用リリー”こと「九七式携帯写真機」が登場しています。1937年に制式化された九七式携帯写真機は、ヘキサー13.5cm F4.5を装備していましたが、初期にはヘキサー13.5cm F3.8を装備してレンズ交換も可能(30cm F6.3)でした。九七式携帯写真機を特徴付けるものとして、レンズボードを支える板の下と、専用鞄の内側に、向かい合わせ一対のオリーブの葉のマークが付けられています(後期には省略されたようです)。“軍用リリー”と言われる所以は、このカメラが六櫻社の手札判ハンドカメラ「新型リリー」(1936年)をベースにした陸軍向け仕様(1933年の「9年型リリー」を基にしているとする説もあります)だからですが、リリーは、ブラッサイが愛用したことで知られるフォクトレンデルの「ベルクハイル(Bergheil)」の、言ってしまえばコピーです。九七式携帯写真機は主に砲兵隊の記録用と言われているのですが、戦車隊にも配備されていたのでしょうか? このカメラを製造した六櫻社は、杉浦六三郎が1873年4月に創業して写真材料を取り扱い始めた薬種問屋“小西屋六兵衛店”(または“小西本店”)の工場として1902年に創業、小西屋六兵衛店は1921年に合資会社小西六本店、1937年に株式会社小西六、1943年には軍部の意向により解散させられた六櫻社を吸収合併して小西六写真工業株式会社となり、そして1987年にコニカ株式会社へ改称、2003年に持株会社化してコニカミノルタホールディングスに、2013年のグループ内再編によって現在はコニカミノルタ株式会社となっています。そんなわけで、今回の撮影ではコニカのレンズを使ってみました。

九七式携帯写真機は前述の通り六櫻社製なのですが、シャッターは、初期には少数ながらコンパーを採用したモデルがあるようですが、軍用リリー生産当時、精工舎はシャッターの生産を中止して信管など軍事用部品の生産に切り替わっていたことから、軍用リリーのシャッターには千代田光学精工のKTI(同社のクラウンラピッドから1/400秒を除いたものとする説と、クラウンラピッドとは全くの別設計とする説とがあります)が採用されました。それを示すように、九七式携帯写真機のレンズのシャッター部には千代田光学の略称「チヨコー」を示すローマ字"TIYOKO"の刻印があります。田嶋一雄が1928年11月に創業した日独写真機商店は、1931年にモルタ合資会社、そして九七式携帯写真機が制式化された1937年の9月に千代田光学精工株式会社へと社名を改称、「ミノルタ」のブランド名は1933年に使用が始められ、1962年にミノルタカメラ株式会社、1994年にミノルタ株式会社へと社名を変え、その後、2003年にコニカミノルタホールディングスに合併され、2013年にコニカミノルタ株式会社となっています。そんなわけで、今回の撮影ではミノルタのレンズも使ってみました。
(以上の九七式携帯写真機に関連する文は、2016年5月30日に補筆修正しました。)

HEXANON AR 50mm F1.4は、1973年4月発売のコニカ・オートリフレックスT3に合わせて用意された6群7枚構成のレンズで、今回用いたのは最小絞りF16・絞りリングのシャッタースピード優先AEセットポジションが緑色の「AE」表記のトリウムレンズ採用モデル、いわゆる“中期型”です。測定の結果、前玉側 0.43μSv/h・後玉側 4.31μSv/hのガンマ線を検出しました。このレンズは当時以前の国産レンズの例に漏れず、球面収差をレンズの縁で過剰補正にしていて、現役製品当時のテストには、絞り操作によるピント移動はほとんど観測できなかったとあります。解像力(コントラストがゼロになる空間周波数)は、開放時の中心部は140本/mm・全画面平均83本/mm、F5.6時には中心部224本/mm・全画面平均132本/mmと、1970年代の35mm一眼レフ用標準レンズとしては解像力が非常に低いレンズ(同時代の同クラスレンズとしては最低レベル)ですが、1990年代から今世紀初頭の標準レンズよりは高い解像力を持っています。1987年6月発売のAi AF NIKKOR 50mm F1.4のデータと比べると、開放時の全画面平均はヘキサノンがわずかに勝り(AFニッコールは74本/mm)、開放時の中心部やF5.6時の解像力は全く同じ数値を出しています。また、2006年発売のコシナ製カール・ツァイス Planar T* 50mm F1.4 ZFは、開放時は中心部80本/mm・全画面平均59本/mm、F5.6時は中心部180本/mm・全画面平均94本/mmと、解像力の数値データのみに限ればヘキサノンに大きく劣ります。

ちなみにコニカARマウントですが、フランジバックこそかなり短いものの、マウント内径などニコンFマウントと同じなので、遠距離を捨てるのであればニコンFマウントレンズ用マウントアダプターが流用できます。例えば、お外に出かけない・風景とか撮らない・美少女フィギュアしか撮らないといった清々しい撮影スタイルwの場合など、ニコンFマウントレンズ用アダプターの流用はコニカARマウントレンズの最近接撮影距離よりもさらに近接しての撮影が可能になるので、ちょっとお得感があるかもしれません。僕は流用しないで安い中華アダプター(STOK製のARマウント用アダプター)を使いましたが。

MD MACRO ROKKOR 100mm F3.5は、1972年のMC MACRO ROKKOR-QE 100mm F3.5、1973年のMC MACRO ROKKOR 100mm F3.5を引き継いで、両優先AEを世界で初めて搭載したミノルタXD(1977年10月発売)に対応して1978年に発売された4群5枚の中望遠マクロレンズです。レンズ単体では撮影倍率1/2倍まで、固定三脚座付きの専用エクステンションチューブ併用で等倍までの撮影が可能です。とても重く大きいレンズで、ミラーレス機での使用には三脚座付きマウントアダプターを使わないと不安を感じます。1980年代初めごろより以前の国産マクロレンズは解像力・コントラストとも絞り開放が最良というものが多いと言いますが、それはこのレンズにも概ね当てはまり、開放からF5.6までが最もシャープで、それ以上絞ると像が甘くなります。巷間では“柔らかい描写のマクロレンズ”と言われていますが、使用してみた感じとしては、その描写に柔らかさはあまり感じませんでした。なお、念のために書き添えますが、このレンズはアトムレンズではありません。


このフィギュアはアイプリントの光沢が強いことから照明が写り込みやすく、その対策に、六櫻社にやや遅れて創業した老舗光学メーカー、杉藤の円偏光フィルター、"Pro MC Circular Polarizer(W)"を用いました。また、西住隊長が搭乗するのはⅣ号戦車ということで、ドイツ繋がりでドイツ・eyelead製ブロワー、"AIR BLOWER L CLASSIC"で埃を吹き飛ばしつつ撮影しましたw



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水銀

(た)さん、こんにちわ

はつらつとした笑顔が素敵な西住殿ですね♪
最初の笑顔のアップで吸い込まれそうになります(^^)

素晴らしい躍動感、ポージングに関してはほんとに動き出しそうなほど見事、完璧ではないでしょうか♪

>キャラのイメージがよく再現されていて塗装や仕上げも丁寧
安定感の仕事をされるメーカーさんのは、安心して購入できますね(^^)
by 水銀 (2016-05-27 15:10) 

(た)

水銀さん、こんにちは。ありがとうございます♪

>最初の笑顔のアップで吸い込まれそうになります(^^)
いい笑顔ですよね(^^)

>素晴らしい躍動感、ポージングに関してはほんとに動き出しそうなほど見事、完璧ではないでしょうか♪
「私の戦車道」を見つけた感じがポージングで良く表現されていると思います。数多く出ているガルパンフィギュアの中でも特筆していい作品だと思います。

>安定感の仕事をされるメーカーさんのは、安心して購入できますね(^^)
塗装のはみ出しが非常に少なく、マクロレンズのアップにも耐える出来なのが嬉しいです。そりゃまあアルターやメガハウスには及びませんが、未だに購入にギャンブル要素が付きまとうアクアマリンやコトブキヤとはレベルが違いますね(^^;
by (た) (2016-05-27 16:36) 

ワンモア

これは、カワイイ(*´ω`*)
1/12のⅣ号戦車が出ているのには驚きました^^;
by ワンモア (2016-05-27 22:12) 

yossy

(た)さんこんばんは^^ お世話になります!

この「西住みほ パンツァージャケットVer.」は秋葉原で実物を見たのですが、
造形&塗装がとても好印象だったのを覚えています♪
改めて見るとその造りの良さが良く分かりました^^

しかし最近ウェーブの元気が無いのが気になるこの頃です…
やはりビーチクィーンシリーズの価格高騰が痛いんでしょうね^^;
これからはドリームテック・シリーズに注力していくみたいですので
頑張って欲しい所です。

コニカミノルタの流れも勉強になりました^^
実は自分もFマウントにコニカARマウントを入れて使ってみた事がありますw
あとまさかの円偏光フィルター!
こんな使い方もあるのですねw

これから暑い日が到来しますので、体調には気をつけてお過ごし下さい^^
by yossy (2016-05-28 02:43) 

(た)

ワンモアさん、ありがとうございます♪

>これは、カワイイ(*´ω`*)
可愛いですよね(^^)
みほさんの可愛さがこれ以上ないくらいに再現されていて、いいフィギュアだと思います♪

>1/12のⅣ号戦車が出ているのには驚きました^^;
70年代後半にタミヤからシャーマンなどがラジコンモデルで出てましたけれど、このスケールの戦車は久しぶりですよね。
by (た) (2016-05-28 11:45) 

(た)

yossyさん、ありがとうございます♪

>造形&塗装がとても好印象だったのを覚えています♪
動きのある可愛らしい造形もですが、塗装の良さにはとりわけ驚きました。白い襟の赤いラインが細いのに乱れてないんですよね。この赤いラインはアニメを見ても太さが一定してないので、太くしても別にかまわないと思うんですが、細いラインで量産したことに生産工程の作業者への信頼が現れているように思います。

>やはりビーチクィーンシリーズの価格高騰が痛いんでしょうね^^;
ビーチクィーンシリーズも高くなりましたよね。1年で1.5倍ですからねえ…。肌色面積が多いからこの程度の高騰で済んでいるのかもしれませんが。
まともなスケールフィギュアは1万2千円以上という中ではDreamTechシリーズはお買い得だとは思いますが、しかし1/7スケール前後の出来のいいスケールフィギュアが4,000円前後で買えた昔が懐かしいです…そんなに昔のことじゃなかったような気もしますが。1万円台なんて、10年前ならポリストーン製フィギュアが買えましたよねえ。

>コニカミノルタの流れも勉強になりました^^
いえいえ、受け売り知識で申し訳ないです(^^;
小西六の「六」も、ヘキサーやヘキサノンの「Hex」も、小西屋六兵衛の「六」なんですよね。
ミノルタの社名は、変わりすぎだろうと突っ込みたくなりますw

>FマウントにコニカARマウントを入れて使ってみた事がありますw
ロックこそできませんけど、しっかりはまって意外に使い勝手がいいですよね。
70年代前半ぐらいでしょうか、東京光学がARマウントの採用を検討していたそうです。もしも東京光学がARマウントを採用していたらコニカはトプコンの開放絞り値伝達機構の特許が無償で使用できて、コニカも絞り優先AE機を投入できたでしょうけれど。

>あとまさかの円偏光フィルター!
偏光フィルターはもともと反射像除去用のフィルターなので使えるだろうとは思っていたんですが、お値段が高いのと面倒くさいのとで、最近になって投入しました。杉藤のC-PLフィルターが日本製ながら安かったというのが決め手だったりするんですけれども(^^;
しかし、当然ながら反射面がレンズにほぼ正対していると全く効果がないですね。それと、アイプリの反射だけでなく他の部分からの反射光にも影響があるので、塗装の質感が出なくなりやすいのが悩ましいです。

>これから暑い日が到来しますので、体調には気をつけてお過ごし下さい^^
ありがとうございます(^^)
梅雨到来も目前で体調を崩しやすい季節になりますね。気を付けます。
yossyさんもどうぞ体調に気を付けてお過ごし下さい。
by (た) (2016-05-28 13:08) 

bpd1teikichi_satoh

トリウムレンズ(放射能レンズ)ヘキサノン AR 50mm F1.4,
MD マクロ ロッコール 100mm F3.5素晴らしい解像力とボケの綺麗さ
がありますね、、でも弱いγ線でもγ線は透過力があるので爺は怖くて
欲しいとは思いません。
by bpd1teikichi_satoh (2016-05-28 20:13) 

(た)

bpd1teikichi_satohさん、ありがとうございます♪

>素晴らしい解像力とボケの綺麗さがありますね、、
この時代は各社とも解像力を高く保とうと努めていながら、コントラストやボケ味も重視されだした時代なので、高いレベルでバランスの取れたレンズが多いように思います。こと解像力だけに関してみれば、1970年代のレンズは現代の最新レンズにも勝っているのではないかと思います。

>弱いγ線でもγ線は透過力があるので爺は怖くて欲しいとは思いません。
ご懸念、よく分かります。放射線は目に見えませんし、影響があったとしても遙か後のことで、しかも影響があったとしてもそれが放射線によるものかどうかは普通は判定不可能ですから、どなたにでもお薦めできるようなものではないと思います。なので、中古レンズ販売業者には、アトムレンズにはアトムレンズであることがはっきり分かるように表示してほしいと思います。分かっていながら、全く表示しなかったり、「特有のレンズ焼け」などと言葉を濁している業者がほとんどなのは、良くないことだと思います。
ただ、実際に計測してみると、レンズから1メートルも離れると、もうバックグラウンド値しか計測されないまでに大幅に減衰します。
by (た) (2016-05-28 20:55) 

sig

こんばんは。
かわいいキャラクターですね。きれいな連続写真だから、1コマずつ送って疑似アニメで楽しみましたよ。それにしてもすごいのは、カメラについてのうんちく。
by sig (2016-05-29 21:21) 

(た)

sigさん、ありがとうございます♪

>かわいいキャラクターですね。
可愛らしいですよね。可愛くて凛々しいキャラクターなんですよ。

>1コマずつ送って疑似アニメで楽しみましたよ。
楽しんで頂けましたか(^^) 嬉しいです♪
ありがとうございます!

>カメラについてのうんちく。
昨年夏のアサヒカメラの記事を見ながらの受け売りです(^^;
恥ずかしながら、間違いがあったので先ほど修正しました。「写真工業」のバックナンバーや神尾健三氏の著書を見ながらですが(^^;;
yossyさんへのコメントで“小西屋六兵衛の「六」”と書きましたが、本当は杉浦六三郎の「六」ですね。
『ガールズ&パンツァー劇場版』のBD発売日に合わせてアップしようとして焦ったら、調査不足になってしまいました。全く申し訳ないです。
by (た) (2016-05-30 21:44) 

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